富倉そば 峠の合戦食:富倉そば
歴史と自然の町 信州いいやま
富倉地区の家庭で長年親しまれてきた郷土料理富倉そば。「幻のそば」として根強い人気があり、つなぎには小麦ではなくオオヤマボクチ(ヤマゴボウの一種)の繊維を使用しています。そのため、風味がよく独特の食感が生まれ食べ応えのある仕上がりになっています。
富倉そば

オオヤマボクチ
雪国で生まれたくらしの知恵
日本でも有数の豪雪地帯でもある富倉地区では麦の栽培が難しく小麦を調達することができませんでした。そこで上杉謙信が戦に向かう際、火縄銃の火種にも使用されていたこともあり雄山火口(オオヤマボクチ)の繊維をそばのつなぎとして使用したのが始まりです。

尊ぶ伝統と職人の手
オオヤマボクチはヤマゴボウの一種で主に林内に生えます。6月頃取り集め乾燥させます。それから一度煮てアク抜きが終わったところで葉の繊維を取り出し水洗いを繰り返します。全て手作業で作られたつなぎは、そばを打つ時こねの悪さ伸びの良さが重要になってきます。
蕎麦打ち

郷土食
伝統ある富倉のもてなし
飯山には富倉そば以外にも様々な郷土食があります。上杉謙信一行が富倉峠を通る際に振る舞われたといわれる笹寿司は今でも地元の人に親しまれています。寺の町飯山の伝統精進料理「いもなます」、里芋の一種の「坂井芋」などの伝統野菜もあります。